【事務所ビル例題】

■事務所ビル例題の出力サンプルのダウンロード
事務所ビル例題の出力サンプルをこちらからダウンロードできます。

最小換気回数を指定しない場合(空気線図は一般的なものになります)⇒事務所ビル例題の出力サンプル(換気回数指定無)(注1)
最小換気回数を指定する場合(空気線図はやや矛盾したものになります)⇒事務所ビル例題の出力サンプル(換気回数指定有)
■事務所ビル例題の参照図
例題に使用する事務所ビルの意匠図は、国立研究開発法人建築研究所のサイトの
「平成28年省エネルギー基準に準拠したエネルギー消費性能の評価に関する技術情報(非住宅建築物)」
→「3.モデル建物法の計算仕様」
→「・モデル建物法(Ver.2系)で使用しているモデル建物」の「モデル建物(事務所)」です。
公開されておりますので、お手数ですがダウンロードしてください。
この建物には庇や袖壁はありませんが、計算例を示すため、最上階に庇があるものとします
また、各階の事務室1は、④通りで東西に分割し2ゾーンとします。
■各室の空調設備設計条件
各室の空調換気設備に関する与条件は下記の通りです。

■各空調系統のシステム概要
【1階系統】

 事務室などはビルマルで空調します。
 外気はビルマル屋外ユニットに接続可能な外気処理エアコンで処理します。
 この外気処理エアコンには全熱交換機が内蔵されており、その実質エンタルピ―交換効率(注2)は60[%]とします。
 警備室は24時間運転であるため個別にパッケージエアコンを設置するものとし、空調換気扇で換気を行います。
 この空調換気扇の実質エンタルピ―交換効率は65[%]とします。
 
【2階系統】

 インテリア負荷及び外気負荷はエアーハンドリングユニットで、
 ペリメータ負荷はファンコイルユニットで処理します。
 エアーハンドリングユニットには全熱交換機を使用し、その実質エンタルピ―交換効率は60[%]とします。
 熱源は全て空冷ヒートポンプ式チラーユニット「R-1」とします。
 
【3階系統】

 顕熱潜熱分離処理空調システムの一種であるダブルコイル方式エアーハンドリングユニットを採用します。
 この外気処理エアコンには全熱交換機が内蔵されており、その実質(注2)エンタルピ―交換効率は60[%]とします。
 熱源は全て空冷ヒートポンプ式チラーユニット「R-1」とします。
 
【4階系統】

 全室ファンコイルユニット方式とします。
 外気は外調機を使用して処理します。
 この外調機には全熱交換機が内蔵されており、その実質エンタルピ―交換効率は60[%]とします。
 熱源は全て空冷ヒートポンプ式チラーユニット「R-1」とします。
 
【5階~6階系統】

 顕熱潜熱分離処理空調システムの一種であるデシカント空調システムを採用します。
 2フロアー分の外気及び潜熱負荷を1台のデシカント外調機で処理し、
 各階に顕熱処理専用のエアーハンドリングユニットを配して空調を行います。
 デシカント外調機には二次側顕熱交換機を設置し、その実質顕熱交換効率は55[%]とします。
 冷熱源は冷水出口温度を高く設定し、COPを高くした冷専チラーユニット「R-2」とします。
 温熱源は2階~4階までと共通の空冷ヒートポンプ式チラーユニット「R-1」とします。
 さらに、再生熱源はコジェネ排ガス蒸気ボイラー「B-1」とします。
 
【各階会議室系統】

 各階の会議室は使用時のみ空調を行えるよう、個別にパッケージエアコンを設置するものとし、
 空調換気扇で換気を行います。
 この空調換気扇の実質エンタルピ―交換効率は65[%]とします。
 
ご注意
注1:最小換気回数を指定済のデータブックから最小換気回数を指定しない計算書を出力したい場合は、
  [熱負荷計算書作成ウィザード(5/5)]の、[最小換気回数の指定を無視する]チェックボックスにチェックを入れます。
  
注2:エクセル負荷計算FMxでは、全熱交換機のエンタルピ交換効率及びデシカント外調機用の二次側顕熱交換機の顕熱交換効率は、
  カタログ値ではなく、すべて風量比などを考慮した実質値とします。