【小規模工場例題】

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■小規模工場例題の参照図
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このプラン、製品倉庫がないとか製造エリア分に比べて一般エリアが広すぎるとか、そもそも何を造る工場なのかわからない・・・など
ツッコミどころ満載ですが、熱負荷計算の説明に必要な要素をできるだけ多く盛り込み、
なおかつシンプルにという目的で作成してありますので、数々の矛盾はご容赦ください。
■レイアウトの概要
さてレイアウトですが、1階部分は製造エリア、2階部分はパブリックエリアと入室管理、オフィスエリアです。
エントランスは従業員、外来者とも共通で、1階製造エリアには2階の入室管理エリアから製造階段を使用して下ります。
B1階は仮眠室と、開発室用の空調機を設置するための機械室のみで、ボイラー室は敷地内別棟にあります。
建物はS造で外壁はALC板、屋上にはスクラバー、排気ファン、チラーユニットなどを設置するため陸屋根としています。
意匠図には仕上げ表はありませんが、断面図の主要箇所に熱負荷計算上必要な仕上げ材などを図示してあります。
1階出荷室にはシャッターが2箇所ありますので、正確な負荷計算のためにはこの部分の熱貫流率は分離して考えるべきですが、
本例では簡単のため、シャッターは無視して考えます。
場所は東京で、建物方位角(真北に対するプラントノースの変位角度)は時計回りを正として+20°です。
■各室の空調設備設計条件
各室の空調換気設備に関する与条件は下記の通りです。

2階開発室を除くすべての空調対象室は一般空調で、特殊な条件はありません。
2階開発室は class8(ISO 14644-1) 相当のグレードの低いクリーンルームになっており、やや特殊な空調条件となっております。

1階製造室には完全に自動化された2つのライン、「Aライン」と「Bライン」があります。
1階製造室の生産装置の発熱条件は下記の通りです。


2階開発室では多少臭気の発生する薬剤を使用しますが、さらに排気処理が必要な薬剤も使用するため、ドラフトチャンバーが2基設置されています。
また、遠心分離機が3基、超遠心分離機が2基設置されておりますが、簡単のため、分析機器などは一切ないものとします。
2階開発室の実験装置の発熱条件は下記の通りです。

【ご注意】
遠心分離機の平均負荷率は、使用条件により大きく異なります。ここでは仮に0.7としてあります。
■各空調系統のシステム概要
小規模工場例題の参照図の後半部分である空調換気設備系統図をご覧ください。
1)1階製造室系統(BM-1系統)
 製造室は24時間運転で、ラインは完全に自動化されているため、監視員が各ラインに1人ずつ配置されているだけです。
 出荷室は7時から22時までの間、2交代で対応しています。
 一般空調であるため、ビルマル(BM-1)を採用しますが、夜間はほぼ完全に無人になるため
 外気取入ファン及び排気ファンを昼間用と夜間用に分け、夜間の外気導入量はシックハウス対策分のみとしています。

2)2階開発室系統(AHU-1,OAHU-1系統)
 実験の性格上、温湿度管理と清浄度管理をある程度行わなければならないため、エアーハンドリングユニット方式(AHU-1)とし、
 さらに多少臭気が発生するため、オールフレッシュ方式とします。
 この空調機は除湿、加湿共に可能なものとしますが、特に加湿水の水質が実験に影響を与える可能性があるため、
 加湿用水は精製水とし、間接蒸気式加湿器を用います。この加湿器の一次側蒸気は別棟ボイラー室から供給されるものとし、
 蒸気圧力は 0.2[MPa](ゲージ圧)とします。
 また、ドラフトチャンバー用の外気は、ドラフト使用時のみ導入可能なように、
 外気処理空調機(OAHU-1)は単独とし、排気側のスクラバーと連動させます。
 ドラフト用外気は、ランニングコスト抑制のため除湿、加湿共行わないため、室内温湿度に対する影響を考慮してドラフトの近傍から吹出します。
 本室は class8(ISO 14644-1) であるため、最低換気回数は 15[回/h]とし、
 ドラフト用外気処理空調機停止時もこの最低換気回数が確保できるようにします。

3)一般室系統(BM-2系統)
 1階エントランス、2階のパブリックエリアと入室管理、オフィスエリアは、特に厳密な温湿度管理が不要であるため、
 ビルマル方式(BM-2)とし、換気は全て空調換気扇により行います。また、加湿は行いません。

4)食堂系統(BM-3系統),仮眠室系統(個別系統)
 食堂は使用時間以外に空調機を完全停止できるよう単独ビルマル系統(BM-3)とし、
 外気はやや多めであるため、全熱交換機を搭載した外気処理タイプ室内ユニットを使用して外気を導入します。
 この外気処理タイプ室内ユニットは加湿器搭載形とし、加湿用水は市水とします。
 仮眠室は製造ラインの監視員、開発室の研究者が仮眠をとるためのスペースで、単独にパッケージ(個別系統)を設置し、
 さらに天井カセットタイプの加湿器を設置しますが、この水源も市水です。

【中規模ビル例題】

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■本例のポイント
この例題は書籍(Ref1)に掲載されているものです。
ポイントは以下の3点です。
◆一室を複数のゾーンに分割した場合に、ペリメータ側とインテリア側に、負荷をどのように割り振るのか。
◆一室を複数のゾーンに分割した場合に、実用蓄熱負荷を一室として扱うとはどういうことなのか。
◆同じ構造のフロアーが複数あり、基準階のみを計算する場合、熱源負荷はどのように集計されるのか。
なお、内容の詳細につきましては書籍をご参照ください。

【クリーンルーム例題】

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(2017/9/9 誤って小規模工場例題の熱貫流率データを指定してしまったため訂正版を再度UPしました。)

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■クリーンルーム例題の参照図
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本例は、概略プランの段階における熱負荷計算の例です。
■本例のポイント
この例題は、ファンフィルターユニットを使用したダウンフロー型のクリーンルームの、計画段階におけるものです。
ポイントは以下の4点などです。
◆天井プレナム→クリーンルーム→リターンピット→ツインウォール→天井プレナムというエアーフローを用いた、
 ターミナルバイパス構造の部屋の建物負荷はどのように考えるか。
◆分離形ドライコイルシステムを採用した場合、どのような計算になるのか。
◆ファンフィルターユニットを多数設置するような場合、ファンによる発熱負荷をどう扱うのか。
◆生産装置やファンフィルターユニットなど、明らかに常時発熱がある場合、それらの負荷だけを暖房負荷から差し引きたい場合どうするのか。

参考文献

Ref1 公益社団法人 空気調和・衛生工学会:「試して学ぶ熱負荷HASPEE ~新最大熱負荷計算法~」(2012-10),丸善